マンション屋上を携帯電話基地局のスペースとして貸し出せば収益になる

マンションの建物や敷地、エレベーターなどの共用施設は、マンションの区分所有者(入居者)で構成するマンション管理組合が管理します。多くの管理組合は業務をマンション管理会社に委託しており、国土交通省によると、新築分譲時に売主であるデベロッパーが提示した管理会社を変更しないままでいる管理組合が70%を超えます(2017年)。

ところが、マンションに関するさまざな業務(清掃や保守点検、予算や決算の作成等)を管理会社に委任したはずのマンション管理組合が、国税当局に申告漏れを指摘されるケースが増えています。管理組合の収入は原則非課税だが、収益事業は税務申告が必要。

つまり、入居者から受け取る駐車代や駐輪代などは非課税だが、屋上に設置した携帯電話基地局のスペースの場所貸し料など、入居者以外から収入を得ることは収益事業に当たり、経費を差し引いた所得には法人税が課されます。入居者以外に駐車場を貸した場合も課税されます。

すなわち、スマートフォンの普及による携帯電話の基地局増加に伴い、マンション屋上(共用部分)に基地局を設置していて、電話会社からの賃料収入を申告していないのです。この問題に対して、管理組合の運営をサポートするマンション管理会社は、「収益事業は申告が必要というしか説明できない」と回答するが、こういうテクニカルな税務申告こそ管理会社が代行して居住者の生活の利便性を向上させるべきです。